「2040年までの就業者シミュレーション(男女計)」からみる、労働力供給推移のポイント

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【ポイント】

1:「経済成長と労働参加が進む」のであれば、2025年では現状と均衡する

2:「経済成長と労働参加が進む」としても、2040年には現役世代が2割減少する

3:「労働者数」の観点では、60歳以上の活用は必要不可欠
  「労働力供給」の観点では、身体的負荷の軽減や代用技術の活用が重要

  

令和元年10月3日(木)に開催された、「第1回 この後の人材開発政策の在り方に関する研究会」において、「人材開発政策の現状と課題、今後の見通しについて」という興味深い資料が配布されている。
今回は、その中の「2040年までの就業者シミュレーション(男女計)」図表を基に、労働力供給推移のポイントを見ていきたい。

  

1:「経済成長と労働参加が進む」のであれば、2025年では現状と均衡する

2025年は団塊の世代が75歳を迎えることで、医療や介護における負担が急激に増すことが社会問題として捉えられる年である。
2017年の実績値と比較して、「経済成長と労働参加が進む」のであれば、2025年時点での就業者数はほぼ均衡すると予測されている。

数値的には、以下の推移となる。

  • 15~29歳 : ▲43万人
  • 30~59歳 : ▲90万人
  • 60歳~   : +90万人

現在から6年後の姿であることから、完全引退する年齢が後ろ倒しされて少子化の分だけ減少するという形であろう。
定年退職の年齢を70歳以降に引き上げる流れもあることからも、令和に入ってさらに「昭和は遠くなりにけり」と感じ入るところである。

 

2:「経済成長と労働参加が進む」としても、2040年には現役世代が2割減少する

2040年では、「経済成長と労働参加が進む」としても、現役世代(15~59歳)が2割減少(▲973万人)する

数値的には、以下の推移となる。

  • 15~29歳 : ▲202万人
  • 30~59歳 : ▲771万人
  • 60歳~   : +466万人

現役世代の大幅な減少を高年齢者層が補う図式である。
これは2040年において団塊ジュニアの世代(1971年~1974年)が65~70歳であり、就業者として期待しうることが上記の数字に表れている。

  

3:「労働者数」の観点では、60歳以上の活用は必要不可欠
 「労働力供給」の観点では、身体的負荷の軽減や代用技術の活用が重要

このように、「労働者数」の観点では60歳以上の活用は必要不可欠である。
改正高年齢者雇用安定法の施行で実感したように、世代交代の停滞や制度設計の難しさなど数々の壁が存在している。

その一方で、「労働力供給」の観点では身体的負荷の軽減や代用技術の活用が重要である。
現役世代が担ってきた仕事を高年齢者が実行できるようにするためには、負荷を軽減する作業機器の導入や作業環境の改良による作業姿勢の変更など、各企業の実情に合わせたきめ細やかな対応を講ずることが望まれる。

 

総括:

平成30年度高齢社会白書でも触れられているように、健康寿命は延伸している。しかも、平均寿命と比較しても延びが大きい。
70歳を超えた私の父も、毎日元気に勤めに出ている。職場で周囲に頼られることが生活の張りになっているようである。

昭和時代には存在していた「老後」は、人生100年時代では存在しない。
健康で自律した生活を営めるよう準備し続けることが、「今」を生きる者に与えられた新たな宿題である。

  

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